とおるです。
エックハルトトールの著書『ニュー・アース』を呼んでると、「エゴ」という単語が大量に出てきますよね。
一通り読んでも、「エゴって結局なに??」と頭の中でクエスチョンマークがいっぱいになると思います。
エックハルトトールの言うエゴとは
エックハルトトールの言うエゴは、単純に自我という意味ではありません。
一言でエゴといっても、さまざまな意味合いがあります。
著書『ニュー・アース』からエゴについて述べている箇所を見ていきましょう。
エゴとは、形への同一化 P29
エゴと呼ぶ間違った自己のメカニズム P37
エゴは悪ではない。ただの無意識だ P51
エゴとは「自己」という意識、エゴという意識をまとって繰り返し生起する思考の形と条件づけられた精神 – 感情パターンの塊なのだ P63
あなたの中の無意識、エゴである P74
エゴは個人的なものではない P84
人間の心の集団的な機能不全 P88
出典:『ニュー・アース』
エゴについての文を引用してみて、やはりわけがわからないですよね。
結論からいうと、”エゴとは形と同一化をもくろむ無意識のこと”です。
形への同一化・間違った自己のメカニズム・人間の集団的な機能不全など、どれも無意識のせいで行われています。
他の見方もあるかもしれませんが、エゴとは形と同一化をもくろむ無意識のことだと考えた方が分かりやすいです。
エックハルトトールのエゴではないものは?
エックハルトトールの言うエゴは形のあるものを対象としています。(思考や感情を含む)
エゴでないものとは、形のない意識”大いなるもの(Being)”あるいは、”I Am(私は在る)”です。
ここでいうI Amは”ほんとうの私“ともいえます。
本来、我々のアイデンティティは”大いなるもの”1つです。
自分は大いなるものであるということですね。
それが、形との同一化により、アイデンティティがエゴに乗っ取られます。
例えていうなら、大いなるものという青空がエゴという黒い雲に隠れて見えなくなってしまうんです。
エゴは無意識であり、知らない間に拡大し繁殖していきます。
エゴから解放されるには?
エゴから解放され大いなるものと一つになるためには、”いまこの瞬間にエゴに気づく”ことです。
エゴから解放されるために必要なのは、エゴに気づくことだけだ P90
エゴの最大の敵は、いまこの瞬間、いわば人生(生命)そのものである P75
出典:『ニューアース』
無理矢理、エゴを消そうとする必要はないんですね。
ただ気づくだけで、気づきの炎がエゴを燃やしてくれます。
『ニュー・アース』を数年前にはじめて読んだときは、エゴのことばかり書いてあって胸がザワザワと苦しくなる思いでした。
はやくありがたい教えを説いて欲しいと思い、第七章以降を繰り返し読んでいましたね。
でも、エックハルトトールが『ニュー・アース』で1番伝えたいのは、”個人や集団、歴史が繰り返す機能不全に気づきなさい”ということだと今なら分かります。
自分をモノや事物から引き離すこと、それが本書のテーマである
出典:『ニューアース』P36
エゴとは形と同一化をもくろむ無意識であることは先ほど言いましたが、エゴが同一化しようとする”形”についてを次に見ていきましょう。
形への同一化とは
エゴは形あるものに同一化することで生きながらえます。
さて、”形”とは何でしょうか。
代表的な形は以下の通りです。
- 自分 普段使う私という言葉(私に、私の、私のものなど)
- 思考(無意識にわきでてくる考え)
- 感情(ポジティブな感情、ネガティブな感情など)
- 役割(親、子供、教師、社長、恋人、被害者、悪人など)
- 物語(親や学校での教えや宗教、国家や人種、イデオロギーなどでの自分たちの見方)
- モノ(指輪、車、家など)
- お金(紙幣、投資、仮想通貨など)
もちろん他にもさまざまな形がありますし、例えも無限にあるでしょう。
エゴは形を”ワタシノモノ”として、独裁者のように所有して拡大していきます。
「私は50年生きてきて誰からも愛されたことがないみじめな人間なの」
「金さえあれば何だってできる。この世は金だ。金がすべてだ」
「この宗教を世界に広めて、他の宗教を撲滅させたら世界平和は間違いない」
上記のようにさまざまケースがありますが、これらはすべて形と同一化してしまっています。
私たちは本質的には”大いなるもの”ですが、ヒトラーのような独裁者であるエゴによって、”愛・喜び・平和”を感じられなくなっています。
エゴに気づく
繰り返しになりますが大切なことは、エゴに気づくことです。
形と同一化していないか今気づくんです。
いざ気づこうとすると、こんなにも!っていうほど、私はモノやコトに実は同一化していました。
また、エゴは何層ものヴェールを複雑に絡ませて大いなるものを覆い隠しています。
エゴに気づいた瞬間に、その執着していた形がシャボン玉のように消えてなくなるんです。
このエゴに気づく、あるいは思考を観察する習慣を続けていると、次第に心が静かになっていきます。(あえて分かりやすく心と書きました)
心が静まってくると、今ここにいるだけで穏やかな安らぎを感じられます。
人によっては何か崇高な体験があるのかもしれません。
私も以前『ニュー・アース』を熟読していた頃にスピリチュアルな体験をしました。
でも、肝心なことは昔の体験でなくて、今ここの意識状態です。
自分のアイデンティティが”大いなるもの”か否かを見極めていかないといけません。
大いなるものがアイデンティティになっていたら、心の平安を感じるでしょう。
私もまだまだ心の平安を感じられないことが多いです。
日々の生活の中で、エゴに気づいていきましょう。
まとめ
この記事ではエックハルトトールのエゴについて、できるだけ分かりやすく解説しました。
エゴとは”形と同一化をもくろむ無意識のこと”でしたね。
そして、エゴから解放されるには、エゴに気づくだけでいいということです。
国家や資本主義などのイデオロギーや営利目的の大企業なども、エゴが支配しているというというのは衝撃でした。
壮大なスケールでエゴの茶番が繰り広げられているんだと思いましたね。
『ニュー・アース』はまるで、狂気的な世界をぶった斬る太刀のようなものです。
もちろん、世界を変えよう!と気張るのではなくて、一人一人の意識が変容することが大事です。
目覚めの書『ニュー・アース』をまだ読んでいない人は、ぜひこの機会に読んでみてください。
コメント